森林と暮らしを守る治山事業2006年08月29日 12:24

治山事業の看板
 
 先ほどの松枯れ枝のすぐ近くに写真の看板が立っていた。
秋田県林務部とあるから、ここは県有林か?

コメント

_ カシワくん ― 2006年08月29日 20:17

ここは県有林です。能代の風の松原は国有林です。このように所有権が分かれていることが、実はマツ枯れがはびこる原因の一つなのです。このあたりは「夕日の松原」と呼ばれております。ここの維持はどこも同じなのですが、究極的には薬剤散布で維持しております。こういったことが県内マツ林全域で行っているのです。そのために、カミキリ以外の昆虫やその他の生物が消滅し生態系を乱し回りまわって人間へ影響を与えております。にもかかわらず、枯れたマツは発生するのです。カミキリという昆虫は、生まれるとセンチュウを体内外に満杯にしてデタラメに3キロ~4キロ以上何キロも遠くに飛びマツの枝を齧るのです。そしてセンチュウを感染させます。そうして年一回または2年に一回といった気温と相関性を持ちながら羽化しますから、発生の防除はきわめて困難です。ただ、カミキリは枯れ始めたマツに産卵するので今の時期がとても重要で、その産卵されたマツを駆除してカミキリの個体数を減少させようとする事業を、県と県立大学小林教授等が行っている地域です。ただ、所有権が個人や企業の場合こうした対象から外れますから事業の困難さも気になるところです。こうしたことも考え合わせると、薬剤散布はマツが枯れることの延命策といえます。永久には続くはずがないことは明白なのです。

_ カシワくん ― 2006年08月29日 20:32

この辺のマツ林の中に入ってご覧になれば、マツの生育環境がどのようになっているのがよいかよく理解できます。風の松原のように大木はありませんが、樹齢30年くらいの林分です。林内は適度に間伐され、光環境を完全に閉鎖させない工夫をしております。したがって林内は割りと明るいのです。マツ葉は多いのですがそんなに腐食するほどに積もっておりません。一般に言う広葉樹はほとんど見られません。こうした環境であることから、マツの樹液であるヤニ成分は非常に多いことが確認できます。センチュウもヤニ成分に負かされるものといわれております。一方、県立大学に近いところほど、ニセアカシヤやカシワが多いのです。研究用に行っているのかもしれませんが、やや粗末な感じがしております。私は、県立大学の中の樹木にカシワを育て中世の日本海岸一帯がカシワ林帯で覆われていた時代を彷彿させるような学校林を育ててみてはと思っております。

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